ポンド円が英総選挙を終えてもレンジを続けるわけ
6/8イギリス総選挙が終わりました。
Brexitで波乱を巻き起こした保守党が予想通り勝利したようです。
ところが、総選挙を終えた昨日1日のチャートはこちらです。
日本時間8日の15時から投票が開始され、翌6時に投票終了。
おおよそ、開票作業が終わったのは昼頃でした。
朝6時に保守党が議席数で過半数を取れないのでは、という報道があり3円の下窓を開けました。
その後の結果、保守党の議席数は下院定数650議席のうち316議席にとどまり過半数割れを引き起こしました。
ちなみに、単独で過半数を獲得した党がいない、というのはこういうことらしいです。
イギリスの議会で、どの政党も単独で過半数の議席を獲得できない状態を「ハングパーラメント」、「宙づり議会」といいます。選挙の結果、「ハングパーラメント」になった場合、少数与党による政権か、複数の政党が連立政権の樹立を目指すことになります。
出典:英総選挙 与党・保守党が過半数割れ EU離脱交渉に影響も | NHKニュース
メイ首相のこの総選挙の思惑にはBrexitに関しての基盤強化があったものと思われます。
離脱派の保守党が過半数を超えることで「国民の総意」でEU脱退を交渉することが出来ます。
Brexit投票からおよそ一年、「2年以内のEU脱退交渉」を通告されたメイ首相率いる保守党にとってこの選挙は外交、内交ともに関わる重要な意味を持つものでした。
そして今回2020年の総選挙予定を前倒しした意味はここにあったと推測されています。
つまり、今回の選挙後ポンド円レートの上昇条件は保守党の過半数での第1党保持だったと考えられます。
逆に下降条件は保守党の敗北、つまり労働党の勝利だったでしょう。
保守党が過半数を割れたことでBrexit交渉に不安が出てきたことになります。
先行き不安のリスク回避行動と選挙終了の安堵感と織り込み済みの3円下落レートにより、レンジ相場が昨日1日続いたと考えられます。
ズバリ、これからのポンド円予想は……正直言って全くわかりません。
メイ首相の一挙手一投足に注目が集まっているわけですから下値も上値も余地がありそうです。